【DATA】南藍那/enchante/フォーサイド・ドットコム/43分/2003年8月27日発売
【キャッチコピー】着エロブームが残した輝ける遺産─その名は南藍那。
【レビュー】
「着エロ」という言葉が一般誌にも登場するようになった昨今、レースクィーンから名前も聞いたことのないようなアイドル崩れまで猫も杓子もブラジル水着にTバックでお定まりの股間アップに過激ポーズ…という実情には食傷を通り越して阿呆らしく思えてくるが、監督がどんな演出をしようがカメラがエロく迫ろうが、結局は被写体たるタレントの(もっと言えば「女性の」)魅力に敵わない─その基本的なことを南藍那唯一のイメージVとなった本作は改めて認識させてくれる。
南藍那については、私はレースクィーン事情に疎いうえ、雑誌グラビアでも見なかったし写真集を出すこともなく引退してしまったので本作を観るまで彼女を全く知らなかったのだが、まずジャケで見る限りではロングヘアでやや癖のあるフェイスのお姉様、といういかにもレースクィーン/着エロVに出てきそうなルックス。
ところがC-1からその予想を超える魅力を藍那姉さんは魅せてくれる。すらっとした手脚、スレンダーボディに貼りつくぷっくり膨らんだお椀型のGカップオッパイ(下乳が常に露出!)、素晴らしいラインを描くTバックのお尻もオッパイ同様モチっとした触感がありそうでとにかくエロい。
撮る側にしても、同時期に出たA.R.T.PROMOTION作品は相馬茜「BITTER&SWEET」や福山安奈「ura.」(いずれもGPミュージアム)などエフェクト満載の惨憺たる内容が続いていたが、ここではリーダー的存在の毛利英人氏がシンプルだが的確な演出を決めている。
まず今までのA.R.T.~作品と比べて日中の外撮りが増え、エフェクトも最小限に抑えられたためモデルのボディが非常に観易くなった。
水着は相変わらず過激だが、奇を衒ったポーズやアングルを避け、カメラはボディ全体から顔・胸・お尻・股間・脚とそれぞれのパーツを接写でじっくり捉えている。
それらもさることながら、最も評価すべきは藍那姉さんの表情だと思う。
藍那さんは一連のA.R.T.~作品でのモデル同様、胸寄せ・腰くねに開脚ポーズを取りながらエロティックな目線を終始カメラに送っているが、その表情はどこか柔らかく、「どうしたの?見たいの?」と語りかけてくるようで、男の視線を受け入れる余裕や優しさ、母性が表情から滲み出ている(特にC-1・C-5は最高!)。
またC-4・C-6などでも本来の演出意図であるサディスティックなイメージに100%なり切れないところなど意外な「萌え」も。他の着エロVに出るタレントみたいな「出涸らし感」も無く、写りの良くないジャケ写からは想像出来ないくらいの豊かさがある。
私などは「藍那さんに抱かれたい」とまで思ってしまいました(←馬鹿)。
本作は着エロのオリジネイター・KAORIの「FREEDOM」(日本メディアサプライ)と並ぶレースクィーン/着エロVの到達点であり、同時に「着エロ」に止めを刺すという皮肉も生んだ。それは前述のように、優れたタレントが「着エロ」を極めたことで、Vの良し悪しは結局「被写体の魅力」で決まるということを逆説的に証明したからである。
一過性の「着エロブーム」などいずれ霧消するであろうが、南藍那および本作の素晴らしさは未来に語り継がれてゆくべきでしょう。
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(※このレビューは2009年以前に執筆したものです。)
【主な流れ】
(現行盤は「SPECIAL EDITION」としてイーネット・フロンティアより発売中。但し本編アウトテイクを繋いだボーナストラックが追加されたのみで、フォーサイド盤との差異は殆ど無し)
1.タイトル~海岸。水色ビキニ(Tバック=以下★)で立ちポーズ。胸アップ(下乳見え=以下☆)→尻アップ。
2.ベッドの上。白ランジェリー+ガーターストッキング。カメラに尻向け四つん這い~横になる。
3.壁をバックに豹柄ビキニ★でカメラに背を向け立つ。尻~胸アップ☆。
4.廃車置場。ジャケ写の黒ビキニ★+網タイツ+黒ヒール。股間~尻~胸アップ。カメラに背を向け蹲踞。
5.プールサイド。ビーチパラソルの下、オレンジヒモビキニ★でテーブルに腰掛け体舐めショット~胸アップ☆。
浅いプールにうつ伏せ、尻アップ。シャワー浴びる~尻~胸アップ。
6.廃墟。胸の大きく開いた赤エナメルワンピ水着。しゃがんで胸アップ。立って尻アップ。
7.室内。ピンクビキニ★、上にシースルーシャツ。鏡をバックにカウンターに手を突いて尻アップ。正面向いて開脚。
8.浴室。青光沢ビキニ。M字開脚状態でバスタブに入る。
9.エンドロール。小画面にシルバー変形ワンピ水着。
【評価】★★★★★
【レビュアー】vibeon!