【コラム_8】眞鍋かをり“水着封印”宣言について考える(2001/08/28)
眞鍋かをりがDVD&VHS『FINAL ESCAPE-Fairy』を8月22日に発売した。
そしてこの映像パッケージは「眞鍋かをり最後の水着姿」、という触れ込みで売り出しをしている。
ついに眞鍋かをりは「水着封印」宣言をしてしまった。
正直、これには怒りを感じずにはいられない。
例えば椎名法子のように、もともとグラビア界では大した実績もないアイドルに「最初で最後の水着です」と言われても、「ああ、そうっすか」と素直に答えることができる。
しかしこれまでグラビア界において、Fカップのバストを武器にしてファンを魅了してきた彼女が、バラエティ番組などでそこそこ売れるようになってきたこの時点で、「水着もう着るのやめます」となどと水着封印宣言をされたら、「ちょっと待て」という話にはならないか。
たしかにグラビアアイドルがいつまでもグラビア界に収まっていられるわけもない。
毎年毎年、かわいくてスタイル抜群のグラビアアイドルが生まれてくるのだから。
このままグラビア界に留まっていたら、それこそ黒田美礼や青木裕子のように、安らかに芸能界をフェードアウトしていくほかない。
グラビアを卒業することに関してはなんの問題もない。
むしろ健全なことだ。水着をそうそうに切り上げて、ドラマやバラエティなどで活躍することは彼女たちにとって、当然の選択であるのはわかる。
では、眞鍋かをりがしてしまった一番の問題はなにか。それは「水着をもう着ない」と公的に宣言してしまったところである。
これまで優香や酒井若菜が「もう水着は着ない」と宣言しただろうか。
否である。優香は以前、なにかのインタビューでもう水着仕事をしないのか、という質問に対し、こう答えていた。
「ファンの要望があるなら着ますが、私より若い子がたくさん出てきているし、もう必要ないのではないでしょうか」 と。
これぞ模範的なグラビアアイドルの水着卒業コメントではなかろうか。
まあ、実質的な封印宣言ともとれるが、ただこのコメントはもう優香が「癒し系タレント」として、日本国民に認められた後のコメントである。
これまでバストだけが武器だと言われ続けていた彼女だったが、CMやバラエティで大活躍し、さらにはドラマの主演まで勝ち取ったから言えるコメントである。
優香は自らが「水着封印」と叫ぶ前に、彼女はそれなりの地位を獲得していたのだ。これはつまり勝利宣言である。
では、眞鍋かをりの場合はどうか。すでにガレッジセールのゴリとは良いカラミも見せており、バラエティの素質は十分。
『TERRORS』、『ウォーターボーイズ』など、映画、ドラマ関係の仕事も増えてきた。
だが、知名度はまだまだである。
この時点で勝利宣言を掲げるというのはいかがなものであろうか。
個人的には疑問を感じずにはいられない。
少なくとも、グラビア界からの華麗な脱皮とは言えないのではないか。
もちろん眞鍋かをりが嫌いな訳ではない。
むしろ好きだからこそのコメントであることをわかっていただきたい。良くも悪くも、これからの眞鍋かをりには注目である。
【掲載日】2001/08/28
【執筆】PLAY